思い返してみれば子供の頃、「心霊体験をしたかもしれない」と感じる人は意外と多いのではないでしょうか?
かくいう私もそんな「体験をしたかもしれない」と思う一人ですが、こんなことを他の人に言ったら馬鹿にされるのではないかと思い、今まで誰にも話したことがありません。
この記事に辿り着いたあなたは相当なホラー好きなはずですから、ぜひ私の話を聞いていってください。
子供の頃経験した心霊体験
当時小学生だった私は母親と二人で母の実家に帰省していました。その実家にはテレビのあるお茶の間があり、その奥には仏壇が備え付けられた部屋がありました。毎年夏に帰省するとその部屋で夜を明かすのが恒例になっていました。
曽祖父が直近で亡くなった後初めて来た実家には、仏壇に曽祖父の遺影が加えられ先人たちと一緒に飾られていました。
その日いろいろなことを済ませ、もう寝ようと例の仏壇の部屋で電気を消して布団に入り寝始めました。
私は子供の頃から寝つきが悪く、布団に入ってすぐは寝返りをうったり時々目を開けてみたりしていました。すると寝ている私の左頭上に、なにやら白く光っている「何か」がいることに気づいたのです。
その白い「何か」は人型をしており、見下ろすかのように私の頭上に佇んでいました。
想像してみるとわかると思いますが、電気を消してすぐの状態は周囲が真っ暗になり先ほどの電気の光が目に残っていると思います。だんだん目が暗闇に慣れてきてその残光も次第になくなると思うのですが、私が見ていたその「何か」は、しばらく見続けていても消えることはありませんでした。
電気の光と勘違いしたわけではありませんでした。隣で母が寝ていましたが気づく様子はありません。私はその人型の「何か」をしばらく見つめていましたが、ふと目を離して再び視線を戻した時にはもう消えていました。
翌日には帰る予定だったので、昼過ぎに母親の実家から車で出発しました。しばらく走らせて高速に乗った時、
「なんか線香臭くない?」
と母親がいきなり言い出したのです。
帰りの間際に仏壇に線香を供えてから出発しましたが、その匂いが服に染み付いてるとは考えづらいし、もちろん車の中で線香を焚いているわけはありません。
私には全く線香の匂いなど感じなく、母親だけ「線香臭い、すごい匂う。」とずっと言っていたのを覚えています。母親はその後も数日間線香の匂いを感じていたようですが、他に変わった様子はなかったようでした。
オカルト界隈で有名な説で「線香臭いのは近くに幽霊がいるからだ。」というのがあります。
母親がしきりに線香臭いと言っていたのは、もしかしたら先日亡くなった曽祖父が母親のことが心配でついて行き数日間そばにいたからなのではないかと思いました。
私が見た白い「何か」ももしかしたら曽祖父で、亡くなった後でも私たちの様子を見にきてくれていたのではないかと考えるととても温かい気持ちになりました。
と同時に納得もしました。あの白い「何か」を見ている時不思議と怖くなかったのですから。

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